「無~」(10首歌)

人は皆自己に捉わる者多しそこを脱して無我無私目指さん

無言のまま証言せずに黙秘権使ったままの無罪はありや 

ひたすらに愛貫ける者もあり無償の愛に無心の献身 

無知蒙昧 無自覚にして大方の人は思い半ばにして已む 

老荘の思想に傾倒する者多し 無用の用に 無何有郷

世の中に無理算段は通じるや有無を言わせず一刀両断

無累の民 かえって無聊に苦しめる その自己矛盾 越えねばならぬ

無常の理を悟るはなかなか難しき無情の涙の次元にあらず 

無頼派の太宰も虚栄の作家たり 恍惚と不安裡に抱えて

 現世の無慈悲を越えて新しき悟り窮めし人に会いたし