口さえあれば

 

 三重苦かかえていたヘレンケラーを極北の人として見習いたいと思う。「盲聾」の様子を、ある重度盲聾者は「光も音も届かない深い海の底で、箱の中に閉じこめられた状態のようだ」と表現。ラジオや新聞、すべての情報手段から閉ざされ、家族との会話さえも困難を極める中にあって⋯。