海は二月ときに散骨へのあこがれ 水野政次
きさらぎの言葉つぎ足す町はずれ 増田 連
如月の海の光に海女の葬 内山みちこ
節分の句の関守りて老いにけり 鈴鹿野風呂
逃げ隠れせぬ節分の鬼瓦 丸井巴水
肝臓を使い古して寒明ける 小島橘香
五郷讃歌 里人の心の和
五郷里づくりの会 五郷里づくり新聞(第11号) 令和5月年1月27日発行
【藹藹】と草木が繁る営みは自然の心の優しさとみる
【営営】と築き上げたる当会社一瞬にして灰燼に帰す
【淡淡】として難会議こなしたる彼の力量に敬服したり
【錚錚】たる顔ぶれの人集まりて期待外れ結果になれり
耐えに耐え気息【奄奄】たどり着き希望のPost手に入れしかな
逆らわず【唯々諾々】と追随す自分はいつか腑抜けの殻に
【諸説紛紛】まとまらず終る責任は各人にある連帯責任
【戦戦兢兢】謹んで得た結論に縛られるのも自業自得か
【侃侃諤諤】議論の末に得られたる最善策を玉条として
苦労せず手に入りたる遺産あり【悠悠】【閑閑】日日を送るなり
菜の花や月は東に日は西に 二月一日 野口雅舟 この世に生き長らえて臆面もなく
寒ければ遠出を厭う無精者狭庭の花に留まる 雅人
戦死者の大方飢死だと言う人あり米飯などは夢のまた夢
食べられるものは皆食べとかげ蛇そんなものなど平気で食べたと
行軍の途中で脱落するならば死と同じだと付いて行ったと
戦友は互いにかばっていたけれど飢え極まれば餓鬼になることも
贅沢の限りを尽くす現代の食生活を文化と言えるか
生きる死ぬ境を越えて復員せし者には全ては馳走選り好みせず
使い捨て余りを捨てる天罰はいつかは下る間違いもなく
余り物飢えたる国へ捧ぐべし世界の貧富差あまりにひどい
餓死する子多き国民アフリカへ届けてほしい日本の余剰
食べること今中断しこの歌々飢えたる国民に捧げたいと思う