筆海帳解読1
二百八十五 散り残は柿の一葉や俳祖の忌 松風
二百八十四 移る世もたゞ斯道よ宗鑑忌 栞都焚香謹具
二百八十三 風月は昔ながらの宗鑑忌 幽石
二百八十二 曳杖・山所石・道遍絶壁峯闇 ・々百闇五郷落民・桃源第一・ 昭和乙未晩春 五・・・・・・ 黄木
二百八十一 謹具 かりの世は一夜なりけり宗鑑忌 琴邨
二百八十 微酔の訪る庵や後の月 碧石
短冊二百七十九 宗鑑法師三百七十年 ・忌献吟 木枯ヤ天文の今日偲はるゝ 坐石
短冊二百七十八 憧れて来し一夜庵坊の秋 樟披
短冊二百七十七 木枯や松の琴聞く一夜庵 茄石
二百七十六 秋風の柱を吹くや一夜庵 把栗
二百七十五 海よりの山よりの風薫る庵 月史 月史は本名塩田清、多度津町出身。高校教師。
二百七十四 春の山海見えるまでのぼりけり 秋石
二百七十三 松風や春日の中の一夜庵 ・・・
二百七十二 一夜庵あけてくれたる春日哉 泊・
二百七十一 御寝廟の東も・・・部屋にゐてこころしづかにあきの茶をくむ 学
短冊二百七十 庶民文学俳諧創始翁三百七十五年 ・像の古庵に伝ふる灯哉
短冊二百六十九 一夜庵修復発起会に就て 寛永の昔を吹や春のかせ 雪石
短冊二百六十八 カンテラの赤さを見てをる暮れてくる 山容
二百六十七 天文の秋をなきけり庵のむし ・秋
二百六十六 明易き声ふたゝびの一夜庵 松月
二百六十五 一夜庵見て登高の杖をふる ・・
二百六十四 花むしろおほなみうってしかれたる 恒礼子
二百六十三 方丈に今届きたる新茶哉 ・・子
二百六十二 一夜庵前は雲飛ぶ青田原 野風呂
二百六十一 一夜庵つゝぬけ風に蝉涼し 野風呂
二百六十 佛足の法輪の上花楓 誓子 興昌寺の境内には仏足跡の遺跡がある。作者は山口誓子。
二百五十九 一夜庵ても夜長のひは松の風聞きや里恋し ・・
短冊二百五十八 うつしみの命寂しみはるはると一夜庵をはおとつれにけり 勇 ~情熱の歌人が土佐滞在からの帰路、讃岐「一夜庵」(宗鑑の俳跡)を訪れて~
短冊二百五十七 宗鑑の墓に花なき涼しさよ 虚子 ~高浜虚子は興昌寺を訪れる前にいちはやく一夜庵傍らの墓に詣でて~
短冊二百五十六 影兮鳴いて度るや余花の雨 月斗