筆海帳解読1

短冊二百五十五

二百五十五 師走の柿奈良笹しいてより届く 碧 (梧桐)

短冊二百五十四

二百五十四 松の奥にはしょう子の白きに松 井泉(水)

短冊二百五十三

二百五十三 勿体なや祖・はかみこの九十年 ・・

短冊二百五十二

二百五十二 一夜庵を過ぎて 此庵に短過きたる我日かな ※小波 ※作者は、童話作家 巌谷小波(イワヤサザナミ)である。

短冊二百五十一

二百五十一 宗鑑法師の一夜庵にて 民・ 百年を一夜の夢を・初に むよひとし庵のあととへば ・・と春のよの月影のう・ あり明の浜松か枝しはし から・る

短冊二百五十

二百五十 旅そ安し夕飯与て花の宿 木彫

短冊二百四十九

二百四十九 此庵は何時も御留守か秋の雨 一星

短冊二百四十八

二百四十八 葉桜やまよいて寄りし興昌寺 かつや

短冊二百四十七

二百四十七 松低く春日あまねし一夜庵 あるじ

短冊二百四十六

二百四十六 一夜庵ここは裏口萩の花 ・・

短冊二百四十五

二百四十五 春惜しむ僧と二人や一夜庵 婆羅

短冊二百四十四

二百四十四

短冊二百四十三

二百四十三 法師道流刻茅茨秋寝胡報花落時一夜庵・延佇久祥前・然・・蕉題詩 ・・・

短冊二百四十二

二百四十二 一夜庵秋庇より秋の蝶 婆羅

短冊二百四十一

二百四十一 何呑みて動けぬ蛇の怒哉 ・・

短冊二百四十

二百四十 冬うらら北し南す松のふり 千・子

短冊二百三十九

二百三十九 染川の千鳥またしときゝ及ぶ 千・子

短冊二百三十八

二百三十八 一夜庵深庇より秋の蝶 婆羅

短冊二百三十七

二百三十七 宗鑑の心に端居一夜庵 砂風楼

短冊二百三十六

二百三十六 一夜庵仰ぎかへして樹下涼し 五峰

短冊二百三十五

二百三十五 蒼天に屋根深々と一夜庵 海夕

短冊二百三十四

二百三十四 松涼し俳祖の御跡今もなほ 華石

短冊二百三十三

二百三十三 夏山の端山に一夜庵はあり ・・・

短冊二百三十二

二百三十二 葺きかえし 藁屑屋根に一夜庵 令山

短冊二百三十一

二百三十一 山頂に井水恵まれ涼しさよ 然禅

短冊二百三十

二百三十 五月雨に覇王様の杖倒れけり 夢暁

短冊二百二十九

二百二十九 一夜庵 松の様登てつゝ撫しぬ氷柱 望居

短冊二百二十八

二百二十八 道をしへ先へ先へと一夜庵 令山

短冊二百二十七

二百二十七 一夜庵春ふたゝひし松しづく 碧雲

短冊二百二十六

二百二十六 大正丙寅宗鑑忌 残・に庵訪ふ人のあししけし 琴・謹具