2020-04-29 詩人森川義信詩碑を守る 勾配 森川義信 非望のきはみ非望のいのちはげしく一つのものに向つて誰がこの階段をおりていつたか時空をこえて屹立する地平をのぞんでそこに立てばかきむしるやうに悲風はつんざき季節はすでに終りであつたたかだかと欲望の精神にはたして時は噴水や花を象眼し光彩の地平をもちあげたか清純なものばかりを打ちくだいてなにゆえにここまで来たのかだがみよきびしく勾配に根をささへふとした流れの凹みから雑草のかげからいくつもの道ははじまつてゐるのだ 香川県観音寺市粟井町本庄 森川義信生家前 詩碑「勾配」