名歌「白鳥は哀しからずや⋯」解釈上の問題点

白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ

             若山牧水  歌集『海の聲』明治41年

問題点  1 「白鳥」の読み 「ハクチョウ」か「しらとり」か?

     当初は「はくちょう」のルビあり、以降はルビ無し「しらとり」が妥当

          2「鳥」は単数か複数か? どちらかと言えば単数。問題外。

          3「や」は疑問か、反語か、詠嘆か? 決定的には言えない。

          4 「ただよふ」所は空か、海か? どちらにもかかり、限定しない。

                    流離・ 漂泊感であり、孤独・孤立感であり、「さすらい」感。

     5  叙景歌か、抒情歌か? 叙景的抒情歌。

      鮮明・清潔な色彩の対比を利用して、生物(人間)の永遠の孤愁を詠嘆。

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