歌会始の歌「窓」に寄せて

 昭和34年の歌会始の「題」は令和4年と同じ「窓」であった。あれから63年も経つのだから同じでもいいのだろう。それにしても、その時の入選歌「紙切れを窓にはさみて帰りたり会わずに行くはかなしと書いて」の感動的な歌があった。なんとおくゆかしい歌だろう。何度読み返しても胸が詰まる。この作者は女子高校生であったと思う。他に何も要らない。この歌だけでいい。さて、今年は新潟県の男子高校生が入選しているとのこと。どんな若々しい歌を詠んだのだろう。年明けて当日が楽しみである。