『万葉集』防人の歌 巻第二十より著名な歌
四三二二 我が妻はいたく恋ひらし飲む水に影さへ見えてよに忘らえず
四三二三 時々の花は咲けども何すれそ母とふ花の咲き出来ずけむ
四三二五 父母も花にもがもな草枕旅は行くとも捧ごて行かむ
四三二七 我が妻も絵に描き取らむ暇もが旅行く我は見つつ偲はむ
四三二八 大君の命畏み磯に触り海原渡る父母を置きて
四三七三 今日よりは顧みなくて大君の醜のみ楯と出で立つ我は
四四〇一 韓衣裾に取り付き泣く子らを置きてそ来ぬや母なしにして
四四二五 防人に行くは誰が背と問ふ人を見るがともしさもの思もせず
古代にも日本の国土防衛に若者(特に関東東北地方)は【防人】として徴兵された。
妻子持ちも独身男性も、家族との別れは哀しいものだった。その真実の嘆きを残された万葉の歌々に感じ取ることができる。特に妻子との別れは歌に詠まれやすい。
妻・恋人を思う 40% 母を思う 24% 父を思う 13 % 望郷 6% 体制批判 3%