晴峰一句

 薬師寺や一灯ともり花朧  晴峰 (本名・植松晴子)    観音寺大野原町花稲

薬師堂は民間信仰の代表「お薬師さん」として長く全国に流布されている。その一つささやかな大野原花稲にある薬師堂墓地には「花朧」句碑が建てられている。湿っぽく、殺風景な奥つ城に「ともしび」を灯す句碑に心癒される。おそらく本人生前の句碑であろう。「薬師寺」は大袈裟であるが、味気ない戒名などの碑の中で【心の灯】を灯してくれる一個人の句碑である。