こころ色の紫陽花

  こころ  萩原朔太郎

こころをばなににたとへん

こころはあぢさゐの花

ももいろに咲く日はあれど

うすむらさきの思ひ出ばかりはせんなくて。

  (※詮無い⋯どうしようもなく、せつない)

巷に雨の降るごとく わがこころにも涙ふる 心の底ににじみ入る この侘しさは何ならん  (ヴェルーレーヌ)   

 淡くかなしきもののふるなり.     紫陽花いろのもののふるなり     (三好達治「乳母車」)