歌仙「讃州観音寺」300年前詠

 歌仙「讃州観音寺」 備中出身除風撰『番橙集』宝永元年(1704)刊

我は唯いたゝきたいそ蓮の花   一砂

 浅黄はいつれさめぬ帷子    鉄砂

提重のこんにやくはかり残されて 幽軒

 月も出かゝる馬部屋の窓    梅樹

蚊やり火に衝立廻す盆嵐     吟山

 野火辿る鶏頭のへり      除風

したゝかな昨日の餅にとかめられ 教貞

 鏡に向ひて咳はらひする    湖舟

次の間のなけしにかゝる小長刀  才木

 先うつくしうつほむ山茶花   月下

  (後略)

 

  除風  延享3年(1746)没

浮田一砂 宝永3年  (1706) 没