『散るぞ悲しき』梯久美子著

十七日夜半を期し小官自ら陣頭に立ち、皇国の必勝と安泰とを祈念しつつ全員壮烈なる総攻撃を敢行す。

 硫黄島指揮官  栗林忠道  辞世三首

國のため重きつとめを果し得で矢弾つき果て散るぞ口惜し

仇討たで野邊には朽ちじわれは又七度び生れて矛を執らむぞ

醜草の島に蔓延るその時の皇國の行手一途にあもふ  栗林中将

  『読売報知』昭和20年3月22日