恋の名句

紅梅や見ぬ恋作る玉すだれ     松尾芭蕉

夕さくら恋はほのかにありぬべし  竹久夢二

紅梅生けるをみなの膝のうつくしき 室生犀星

白々と女沈める柚子湯かな     日野草城

罌粟ひらく髪の先まで寂しきとき  橋本多佳子

すみれ野に罪あるごとく来て二人  鈴木真砂女

窓の雪女体にて湯をあふれしむ   桂信子

春愁や蛇となる髪解き放ち     寺井谷子

桃林昏れてあやしき身の火照り   中村苑子

会いたくて逢いたくて踏む朝氷   黛まどか