万葉名「月草」今「露草」

 月草のうつろひやすく思へかも我が思ふ人の言も告げ来ぬ

月草に衣ぞ染むる君がため斑の衣摺らむと思ひて

月草に衣色どり摺らめどもうつろふ色と言ふが苦しさ

月草に衣は摺らむ朝露に濡れての後はうつろひぬとも

朝露に咲きすさびたる月草の日くたつなへに消ぬべく思ほゆ

朝咲き夕は消ぬる月草の消ぬべき恋も我れはするかも

月草の借れる命にある人をいかに知りてか後も逢はむと言ふ

うちひさす宮にはあれど月草のうつろふ心我が思はなくに

百に千に人は言ふとも月草のうつろふ心我れ持ためやも