西讃三十三観音

【柞田の歴史探訪 14 】

  三十三観音霊場  (西讃)

 観音菩薩には七観音がある。旧豊

田郡では、聖観音・十一面観音・千

手観音・如意輪観音が祀られている。

我々衆生に対して現世利益を与えて

くれる有り難い仏様であると言われ

ている。豊田郡内に「新西国三十三

観音霊場」ができた。①番観音寺

②番興昌寺③番惣寺院⋯最後が柞田

の三ヶ所となっている。

 31番 大畑観音堂 本尊聖観音菩薩

「宝暦十三年十一月施主大畑邑中」

地蔵尊に刻まれている。この観音

堂は二六〇年前に建てられたもの。

柞田村七観音さんに指定されて信仰

篤かったが、今でも毎月十七夜に集

まり供養を続けている。

32番  山王延命寺 本尊 薬師医王

如来真言宗大覚寺派後嵯峨天皇

勅により滋賀県日吉神社の山王権現

を勧請し本寺はその別当職に補せら

れた。十一面観音菩薩像は穏やかな

面相で、制作は平安時代後期のもの。

33番  黒渕松林寺  本尊千手観音菩

臨済宗東福寺派。文政年刊『全讃史』

に「黒渕村にあり、真言宗である」と

記されている。昭和頃まで禅宗の尼寺

には住職がいたが今は無住となってい

る。本堂の南に観音堂があり、「新西

国三十三所霊場」の碑が建っている。