戦後間もない小学生時代、夏休みの国語ワークブックに載せられていたのを、
六十有余年後の今も忘れない。サルスベリの挿し絵があったように思うが、実物を見ることはなかった。それは、僕にとって何であってもよかった。「ラヂオのほかに声もなし」という表現が気に入っていた。ラジオだけは我が家にあった。森閑とした村落のはずれにある我が家は住み心地がよかった。静かに勉強ができた。
この俳句の作者が誰であるか、探そうとも知ろうともせず過ごしてきた。すぐには分からないとあきらめていたのか、関心がなかったのか。今日ネット検索をしたら、一発で出てきた。ありがたい時代になったものだ。
その似せ作として本日の誕生花句を模造した始末である。
ダリア園ラヂオの他に声もなし 雅舟
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