剣持句集

砂蟹の威し

鋏上げ 必死の脅し 小砂蟹

夕暮れの静寂(しじま)に

夕暮れのしじまに我と蝉対峙 古義軒

今宵半月

月今宵半月掛かりて 発句 七夕や秋を定むる夜のはじめ 芭蕉 脇 この年立秋六月十六日 雅舟

鶏頭の花

盂蘭盆の近づき色増す鶏頭花

今芭蕉の雨宿り

尼寺や令和八朔蝉しぐれ

讃岐野や 令和八朔 蝉時雨

夏今咲く花

君の名は忘れて恍惚令和人 無名人

八朔朝展墓

蝉のひと時

蝉しぐれ

蝉しぐれ すべて求愛一筋とか

カンナ電車

カンナ電車黙殺されし墓標かな 雅子 禅宗の〇印ある墓標かな

稲の花咲き始める

令和元年百日過ぎて百日草

令和元年 百日過ぎて 百日草 剣持雅澄 詠

大蜘蛛が生きたる蜂を運びいる

大蜘蛛が生きたる蜂を運びいる

睡蓮は一輪あれば

睡蓮は一輪あれば足らふなり 雅蕉

メダカの観察

繊細に メダカの動く 梅雨晴れ間 芸術品として

蜻蛉・蝉同居令し和やかに

蜻蛉 蝉 同居令し 和やかに 令和夏 雅蕉

花水木の青葉

花水木花咲くまではただ待つのみ

夏の葉

夏の葉も 色とりどりの 面白さ

小学生「夏の句」

数十年前の小学生佳舟句集『銀河』より

梅雨まだ明けず

望みなきにしもあらず梅雨最中

柿青葉

柿青葉 ただひたすらに 令しき 雅蕉

令和千日紅

夕焼けの浜辺

少し変わった草花

ある人のこれは何だと言われる花

蜻蛉待つ

蜻蛉の物蔭に来て我を待つ 雅蕉

川端散策句

高瀬二宮茶

浜辺の生き物たち

自己防御まず第一に生物は