寺山修司の10首歌

海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手をひろげていたり

売りにゆく柱時計がふいに鳴る横抱きにして枯野ゆくとき 

すでに亡き父への葉書一枚もち冬田を越えて来し郵便夫

桃いれし籠に頬髭おしつけてチエホフの日の電車に揺らる

マッチ擦るつかのま海の霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや

そら豆の殻一せいに鳴る夕母につながるわれのソネット

夏帽の屍をひきてゆく蟻一匹どこまでゆけどわが影を出ず

大工町寺町米町仏町老母買う町あらずやつばめよ

言い負けて風の又三郎たらむ希いをもてり海青き日は

わがカヌーさみしからずや幾たびも他人の夢を川ぎしにして

 

2月23日誕生日の花と花言葉歌句

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    2月23日 誕生日の全国35万人の皆さん、おめでとうございます
         
        (拙句)迎春花この心ある名を愛でむ   雅舟
     
【花】オウバイ(モクセイ科)   【花言葉】 恩恵

【短歌】迎春花咲いたと手招く父がいしかの日のままのオウバイ咲けり 
                                                                                       鳥海昭子
     亡き父はこの花を「迎春花」と漢名で呼んでいました。 父は
     すでにこの世にはいませんが、この花は元気だった頃と同じ
     黄色い花を咲かせています。      
             
【季語】黄梅 迎春花
          
【俳句】黄梅や眠りの中を素通りす   伊串たき子 

    春望の西安どこも迎春花    松崎鉄之介  
          
     黄梅を買ふに買ひ来し鍬が邪魔    辻 桃子      
   
【三行詩】黄の梅・春を迎える花

     いい名をもらって幸せ

     人に恩恵を施せますか  
  
【万葉歌】直の逢ひは逢ひかつましじ石川に雲立ち渡れ見つつ偲ばむ
                                                                                       (巻2ー225)

【2月23日 誕生日の有名人】
      徳川綱吉(1646)  倉田百三(1891) 野間 宏(1915)
      池田満寿夫(1934) 北大路欣也(1943) 中島みゆき(1952) 
                      野口五郎(1956) 天皇陛下(1960) 石川佳純(1989)

   ~今日も一日佳き日でありますように~

三豊干拓地を詠む(10首歌)

友達と蛤採りに遠浅の砂浜に通ひし幼時なつかし

砂浜の潮の干満見はからい潮干狩りには時機が大切

禁止されし囲いの中まで採ろうとして漁師に追われて逃げたる日もあり

夏が来れば海水浴と潮干狩りで賑やかだった山田海岸

地狭き讃岐の民は故郷捨て満洲開拓団となりし戦中

 終戦後食糧増産するために干拓されて夢奪はれし

大切な魚介類など棲まぬ海辺テトラポットに浪寄せるだけ

美しい自然海岸干拓に奪われしこと声高に言へず

周遊池林などあり鳥魚申し訳なく棲み着いて居れど

かけがいなき自然海岸残すため頑張った地域住民もあり

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懐かしい人(10首歌)



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妻子置いて満洲開拓義勇軍率いて果てし父四十路

戦争未亡人の母逝きて早半世紀越え記憶薄れて

先生の背中に負われ看病されし元旦の日を今も忘れず

世俗には背を向けひたすら植物の研究をせし一人の男

桐は実を緑に結び姉嫁ぐ 島の教え子若き日のまま

マルメロを雪解けの野に拾ひたる津軽の人よ今いかならむ

その前夜電話した時気がつかず翌日裏山で身をはかなみし

死にし子顔よかりきと 戦没者の母は老いの繰り言

嫌なこと全て忘れて懐かしい人との出逢いほのかに辿る

裏切りも裏切られもせし昭和の悪夢令和の今は怜悧冷静

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2月22日誕生日の花と花言葉歌句

2月22日 誕生日の全国35万人の皆さん、おめでとうございます
         
       (拙句)発音はクリサンセマムと明瞭に   雅舟
     
【花】カンシロギク(クリサンセマム)(キク科)   【花言葉】 清純

【短歌】足元を吹く風のなかまっしろのカンシロギクの花ゆれている 鳥海昭子
                               白くてかわいい花を咲かせるこの花は「清純」と
          という花ことばがぴったりです。花をゆらす風が
          さざ波のようで、春の息吹を感じました。       
             
【季語】寒菊 霜菊
          
【俳句】寒菊の微温微光を切りとらむ   望月 英男

    寒菊のくれなゐふかく昃りけり  金尾梅の門  
          
    霜菊や岸に及べる舟の波      岡本 眸      
   
【三行詩】「寒白菊」は季語に登録されていない

     「クリサンセマム」は「菊」の英語訳

     「寒菊」冬 「白菊」秋 の合成語「寒白菊」  
  
【万葉歌】梅の花夢に語らく風流たる花と吾思ふ酒に浮かべこそ
                 (巻5ー852)
【2月22日 誕生日の有名人】
   ジョージ・ワシントン(1732) ショーペン・ハウエル(1788) 
   ショパン(1810) 宮武外骨(1867) 高浜虚子(1874)
   三浦 環(1884)  谷 啓(1932) 都はるみ(1948) 
    
  ~今日も一日佳き日でありますように~