かなしき定め十首

  かなしき定め十首

幻滅をすること大き世の中よ後ろ姿のままでいいのに

颯爽と歩く姿の美しくまず脚線に見惚れてしまう

皆マスクして人間のニューフェイス見慣れぬことにも疑いもなく

大空より久米の仙人舞い落ちる愚かな男今も昔も

一皮も剥かなくていいそのままで愚かな動物ホモサピエンス

増上慢人というもの神仏に救われるほどの値打ちはありや

いつのまにエゴ曝け出す人なりしあれほど清貧唱えし君が

高級な話がいつか下世話ものに成り下がりゆく先生面して

悪口も自慢話も止してよねそれだけで品格下がりますから

生き物は皆罪業を深く具え大虚に還る定めもつなり