パンドラの匣

ギリシャ神話〕プロメテウスが天上の火を盗んで人間に与えた。怒ったゼウスは,人間どもにその恩恵の代償を支払わせるべく,鍛冶の神ヘファイストスに命じて粘土で女を造らせた。他の神々から女性としての魅力や美しい衣装などを授けられた彼女をパンドラ〈すべての贈物を与えられた女〉と名づけて、地上に下し,プロメテウスの弟のエピメテウスに与えた。このとき彼女は神々からのみやげとして1個の壺〈パンドラの箱〉を持参していたが,好奇心にかられた彼女がそのふたを開けると,中からあらゆる災いが飛び出して四方に散った。ただひとつ【希望】だけは,急いで彼女がふたを閉じたため,壺の底に残ったという。…

 太宰治の長編小説『パンドラの匣昭和18年

「健康道場」という名の結核療養所を舞台に繰り広げられる恋愛模様を通じて青年ひばりの成長を描く。(1947年2009年に映画化) 疫病など災いにめげず生きるところにコロナ禍の令和に生きるのに示唆するところがあるかもしれない。