蓑虫(ミノムシ)

 蓑虫の音を聞きに来よ草の庵   芭  蕉

 Typhoniinae. ミノムシ (蓑虫)は、チョウ目・ ミノガ科 ( 学名: Psychidae )の ガ の 幼虫 。. 一般には、その中でも オオミノガチャミノガ の幼虫を指す。. 幼虫が作る 巣 が、 藁 で作った雨具「 蓑 」に形が似ているため、 日本 では「ミノムシ」と呼ばれるようになった 。

 清少納言は、これを鬼の捨子だと言い、「父よ父よとはかなげに鳴く、いみじうあはれなり」と書いている。鳴くものではないが、秋風の中に泣くように感じたのであろう。

 芭蕉もまたそのように「あはれ」を感じたのであろう。前書きに「草のとぼそに住みわびて秋風悲しげなる、夕暮れ友どちの方へつかわしける 」とある。

 民俗学によると蓑(みの)は来臨する神人が着ける約束になっているもので、「なまはげ」が代表的なものという。昔は鬼との連想が現代よりずっと容易だったのだろう。