渡り鳥 (10首歌)

さまざまな渡りの季節晩秋の訪れくれば心そぞろに

渡り鳥 群なして行く習性は 誰より学びし定めにあるらん

目指す先見えぬはずなり 一途にぞ 飛び続けるは何の力か

リーダーはあるのかないのか 烏合の衆であるはずもなく

一群よりはずれてしまえばどうなるか  離群癖なる吾によそえて

何ものの煩いなくて風に身を任せて天空翔けるよろこび

夕空の赤く染まる日ふと見れば渡り鳥見ゆ楽天の中

人はみな旅せむ心鳥渡る(波郷) 口開けて見る一瞬があり(雅舟)