「~波」(10首歌)

寄せてくる「女波」に「男波」ねじれてはもつれ合ってぞ消えて生まるる

「高波」に砕ける光  群燕 帰り行くなり 南の国へ

わたつみの「波の花」咲く春の海 人通わねど 大和は和む

「波がしら」立つ桟橋に佇める旅人があり流離の憂え

朝明けの「波残」も潮干の「余波」も同じく「なごり」と読むなり

夜のしじま沖より来たる「白波」の砕け散る音 時に高鳴る

瀬戸内の「青波」広がる島々に人住まぬ島多くなりゆく

「辺波」とは岸に寄せ来る波にして遠き日共に語りし島浦

輝いて迫り来る波「油波」ある日ある時我にも寄せ来

「細波」は「小波」「漣」とも書きて日本沿岸波に洗わる