寄せてくる「女波」に「男波」ねじれてはもつれ合ってぞ消えて生まるる
「高波」に砕ける光 群燕 帰り行くなり 南の国へ
わたつみの「波の花」咲く春の海 人通わねど 大和は和む
「波がしら」立つ桟橋に佇める旅人があり流離の憂え
朝明けの「波残」も潮干の「余波」も同じく「なごり」と読むなり
夜のしじま沖より来たる「白波」の砕け散る音 時に高鳴る
瀬戸内の「青波」広がる島々に人住まぬ島多くなりゆく
「辺波」とは岸に寄せ来る波にして遠き日共に語りし島浦
輝いて迫り来る波「油波」ある日ある時我にも寄せ来
「細波」は「小波」「漣」とも書きて日本沿岸波に洗わる