一茶、元日10句

  歳旦

元日や我のみならぬ巣なし鳥

元日にかはいや遍路門に立つ

元日もここらは江戸の田舎哉

元日やさらに旅宿(はたご)とおもほへず

元日に上々吉の浅黄空

元日も立ちのままなる屑家かな

初空へさし出す獅子の首(かしら)かな

初空を夜着の袖より見たりけり

初空の色もさめけり人の顔

初夢に古郷を見て涙哉