菅原道真の漢詩「春夜櫻花」

 春夜櫻花に賦す 寛平三年作

紅櫻一種意(こころ)疎かになることなし

暁になんなむとしてなほし言ふ夜深からず

香は倍す仙砌に移りて後

色は添ふ隠れて故山に在りし初め

風に過ぐる鳳女装ひし相似たり

月を迎ふる龍花樹も如かじ

多少の春情誰がためにか惜まむ

九重深き処万機の余り  (七言律詩書き下し)