「南海道」讃岐国(香川県)には六駅があった。
紀伊・淡路・阿波・讃岐・土佐・伊予六カ国の国府を結ぶ古代の官道。
「延喜式」兵部省の諸国駅伝馬には、南海道の讃岐国内に各駅伝馬四疋を置く引田(ひけた)松本(まつもと)三渓(みたに)河内(かわち)甕井(みかい)柞田(くにた)の六駅である。
①引田駅は阿波国郡頭駅から讃岐に入った最初の駅で、現大川郡引田町馬宿に比定されている。
②松本駅は同郡大川町田面、③三渓駅は三谷郷に比定される現高松市三谷町、④河内駅は国府所在であった現坂出市府中町に比定される。➄甕井駅は現仲多度郡多度津三井、また同地よりやや南方の現善通寺市弘田町永井などになる説がある。⑥柞田駅は現観音寺市柞田に比定され、同駅から伊予国大岡駅に至る。紀伊・淡路・阿波・讃岐・土佐・伊予六カ国の国府を結ぶ古代の官道の宿駅。
⑥柞田町山王の日枝神社境内には「柞田駅跡」の案内標識を建てている。周辺には「馬塚」「くらかけ松」などの地名が残っており、往時を偲ぶことができる。現在、地元の研究者では、伊予街道寄りではなく、高速道路沿いにあったのではないかの論が湧き起こり、調査中である。