突然の交通事故死 級友の机の上に菊供えたり (昭和42年暮れ)
級友へ挽歌を詠んで一冊の歌集作りて仏壇に供えり
旧友はその後半世紀越え生きながらえて媼となりぬ
令和六年歌会始入選の幸運ありて脚光浴びる
十人の一人に選ばれ皇居にて和菓子の歌が披露されたり
皇后のお言葉があって「お座りになっていいですよ」
故山二の宮人々慶び傾山茶畑に立つ茶の香芳し
秋櫻子誓子の句碑の山里にいつか和の歌碑建てる日あらん
和心をもってこの世を渡るべし茶菓子をもっておもてなしして
【入選歌】 和菓子屋をなりはひとして五十年 寒紅梅の蕊をさす朝 岩倉由枝