歌会始「皇居でのこと」

 皇居松の間での緊張の中での歌会始の儀の後、連翠の間にうつり、天皇皇后両陛下から私達十人一人ひとりにお言葉が、ございました。あまりの緊張に身体がふらついてしまい、皇后様に手をさしのべていただきました。本当に身に余る光栄なことばかりで、どっと疲れました。

 選者の先生との懇談もあり、私の歌の事もお話しいただきました。

 〔和菓子屋をなりはひとして五十年 寒紅梅の蕊をさす朝〕

「毎日をきちんと生活している人の歌です。下の句の冬の朝の凛とした空気感と寒紅梅の赤のコントラストが良かった」と言っていただきました。

 本当に貴重な時間を過ごさせていただきました。 (岩倉由枝の私信)