2024-04-12 春の魚 (10句) 洗ひたる花烏賊(はないか)墨をすこし吐き 高浜虚子 国後へ突き出す鱒(ます)の定置網 山口誓子 紀の海の鰆(さわら)走りの波疾し 山川喜八 並べ干す鰈(かれい)の上の置手紙 吉屋信子 干し上げて鱵(さより)に色の生れたる 後藤比佐夫 磯魚の笠子(かさご)もあかし山椿 水原秋櫻子 差し上げて海女の手にある栄螺(さざえ)かな 巻野南風 水軍の島の栄えや桜海老(さくらえび) 黒岩松風 引き絞る網の渦燃ゆ蛍烏賊(ほたるいか) 大場美夜子 蛤(はまぐり)の一串辛き空の色 飯田龍太