梅・桃・桜を一句に

 
  近くの禅寺の前を通ると、山門横の掲示板に、次のような一句が掲げられていました。
 
     梅ひらき 桃ふくらみて 桜まつ
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さて、ここで『歳時記』における「梅」「桃」「桜」を整理すると、
 
 梅=梅の花のことで〈春〉の季語。実の場合は「実梅」で〈夏〉の季語。
 
 桃=桃の実のことで〈夏〉の季語。花の場合は「桃の花」で〈春〉の季語。
 
 桜=桜の花のことで〈春〉の季語。実の場合は「実桜」「桜桃」で〈夏〉の季語。
 
 桜桃=サクランボのことで〈夏〉の季語。花の場合は「桜桃の花」で〈春〉の季語。
 
 山桜桃=ユスラウメのことで〈夏〉の季語。花の場合は「山桜桃の花」で〈春〉の季語。
 
 
日本最古の歌集『万葉集』では、次のようにを桜より梅の方が多く詠まれている。
       梅…118首(第2位)    桜…41首(第8位)    桃の花…6首
       桜桃、山桜桃…0首