半世紀を経て、この言葉、夢幻のごとし

 
 昭和35年、私が小豆島土庄高校に新任教師として赴任した時、3年生海老(えび)沼さんのお母さんは、ケースワーカーとして頑張っておられた。半世紀を越えた経た今もなぜか忘れられないでいる。
 そして、本日平成24年2月20日、民生委員の研修会でソーシャルワーカーという言葉を耳にした。広島文教女子大学の蛯(えび)江先生の講演に出てきた言葉だった。以下、その用語解説を引用する。
 
 生活保護を受けている人に対して様々な働きかけをする職員を、一般的にケースワーカー(CW)と呼んでいます。ただ、現業員といったり、地区担当員と呼んだり、ソーシャルワーカーと呼ばれることもあります。査察指導員やスーパーバイザーといった呼び名も耳にします。はたまた、生活保護以外の担当がケースワーカーと呼ばれ、児童福祉司という職種だったりします。
 結論から言いますと、ケースワーカーとは福祉事務所で現業を行う職員の通称です現業員とは、相談援助の第一線で働く職員のことです。これには、生活保護だけではなく、障害者や児童、高齢者の相談業務を担当する職員も含まれます。通称ですから、本来なら役所内での言葉で終わりそうなのですが、行政機関で福祉関係の相談業務に従事する人数が相対的に多いため、「福祉を中心に生活の相談にのる人」の通り名として一般的に使われるようになっています。
 また、行政機関の通称が一般に普及したため、それに引っ張られて民間の病院や施設の相談担当職員もケースワーカーと呼ばれることがあります。
 世界的にみると、上記のような業務を行う専門職の名はソーシャルワーカーと呼ばれます。非常に広義の呼び方ではありますが、福祉関係者の間ではケースワーカーの呼び方はやめて、すべてソーシャルワーカーで統一しようじゃないかという動きもあります。
 
  【海老沼(えびぬま)さん】と【蛯江(えびえ)先生】 
  【海老】と【蛯】
 半世紀(正確には52年後)経て、つながることに不可思議な縁(えにし)を感じる。