2020-07-31から1日間の記事一覧

欲しいもの芳香(10首)

情報化の時に生きたる現代人伝えられない「にほひ」というもの 「いろはにほへと」の「にほへ」は匂いにあらず照り映える視覚です 現代の「匂い」は嗅覚香りですこれを届ける術なきものか 悪臭があっては困る視聴覚だけの世の中これも佳とせむ 線香とか抹香…

讃岐の誇る戦没詩人森川義信生家風景

森川義信「勾配」詩碑 香川県観音寺市粟井町本庄

森川義信の名詩「勾配」の意味するものは

「勾配」とは 1 水平面に対する傾きの度合い。傾斜。また、斜面。「勾配の急な坂道」「勾配を登る」 2 数学で、直線の方向を示す数。直線がx軸の正の方向となす角の正接で表される。傾き。方向係数。 3 物理学で、速度・圧力など物理量の大きさが位置によ…

知らぬ顔して生きて

同窓の戦死者いても知らぬ顔して戦後七十五年令和に生きて

戦死した級友を憶ふ森川義信の詩

戦死した友を憶ふ 森川義信(自分も五年後二十五歳で戦病死) 友よ お前は二十歳 ひととき朔北の風よりも疾く お前の額を貫ぬいて行つたものについては もう考へまい わたしは聞いた大きな秩序のなかに ただ 激しい意欲を お前の軍靴の音を わたしの力いつぱ…

森川義信「勾配」を書く

高等学校現代文(筑摩書房)『演習国語Ⅱ』では、森川義信の代表作「勾配」が載せられている。 〔参照〕 詩人・鮎川信夫「死んだ男」 勾配 森川義信 非望のきはみ 非望のいのち はげしく一つのものに向かって 誰がこの階段をおりていったのか 時空をこえて屹…

詩碑「勾配」白字手入れして読みやすくする。

前々から気になっていた「勾配」詩碑文字に白石灰を入れ、読みやすく致しました。 高校教科書(筑摩書房)副読本に掲載されています。

悲しみは松花江に流して

松花江(スンガリー)に棄てられた財満日本人はその数幾人か知れず 上掲、38年前の高校生の読書感想文を紹介します。