情報化の時に生きたる現代人伝えられない「にほひ」というもの
「いろはにほへと」の「にほへ」は匂いにあらず照り映える視覚です
現代の「匂い」は嗅覚香りですこれを届ける術なきものか
悪臭があっては困る視聴覚だけの世の中これも佳とせむ
線香とか抹香臭い嫌われもの避けてさばさば世を渡るべし
白梅のにほひを愛でてその人を祀り上げたる特攻死の夫
説明のできないものは匂ひです香りと言えば更に難し
ほのかにも移り香あればたまらない薫の君よ匂の宮よ
醜悪な現代人の魂よ金と名誉に感染されて
宅配便芳香のある物などが届けられれば至福と言はむ