清貧の歌10首
昔より地主小作がありまして貧富不公平抗えなかった
今も土地持ってることを偉そうに言う人ありて困ったものだ
大地主でなかったけれど小地主であったという友ありてさびしい
土地持たぬ貧農次男三男が満洲開拓に駆り出された過去
二三段でも土地あれば満洲へ行きはしなかった日本の悲劇
一塊の土持ち帰れず客死せし貧農父の憐れな末路
父の無念果たすためには何かせんと戦後七十余年過ごせし
一所定住などナンセンス果てしなく放浪遍歴続けんとして
俳聖芭蕉自分の句皆辞世なりと亡父は我に遺書遺したり
清貧の生涯父と我が命愚息は必ず受け継ぐはずなり
