横山代枝乃の詫間歌

   半島の径    横山代枝乃歌集『白露の記』より

浦島太郎生れしとふ生里後にして目指す箱浦その海青し

浦島に因む地名のおもしろや幾曲り経て積浦に着く

小字名 小砂子 ごま尻 蟻の首 何れが小さし暫しの論議

細き径こころ危ふき切岸を越えて不老浜、仁老浜の里

顔知りたる人と幾たびゆき遇うへる半島の径いゆきもとほる

わが町を巡る岬の峠路を風に吹かれて気負ひつつゆく