香川県西部文学碑総覧(補遺40基)

■伊藤正義   大平正芳墓碑銘
   観音寺市豊浜町墓地公園
君は永遠の今に生き現職総理として死す 理想を求めて倦まず斃れて後已まざりき
 
■石川翠山   歌碑
   観音寺市豊浜町墓地公園
   昭和四三年 
  ふみ分よ煙草と人の良あしは
煙となりて後の世に知る
■真鍋綾子   歌碑
 観音寺市大野原町萩原萩の丘公園
  平成四年五月
 海山のさやけきいふきまとひつゝ
   ふる里人のいのちかゝよふ
 
■南浩二    句碑
 観音寺市大野原町萩原萩の丘公園
   昭和五八年一一月
  村静か青田に雨の降るばかり
■平田風石   句碑
観音寺市大野原町下木屋軍人墓地西
   明治二九年
 白雲の下に雲おくしぐれかな
 
■竹広登    歌碑
   観音寺市大野原町花稲一方宮
   昭和四九年六月
 安らけくうまし子たべと祈るなり
  木の花咲くや姫あがめつつ
 
■竹広由太郎  歌碑
   昭和四五年四月
 又平松原千鳥が池や
浦に白帆が二つ三つ
 
■井澤厳城   歌碑
  観音寺市大野原町青岡頂懸神社
 おこたらでいつきまつらね
 おこたらでまもらひゐます
 かみぞこのかた
 
■平岩ひろむ  歌碑
 観音寺市大野原町福田原頂懸神社
  大谷池の潰えたる水に流されし
   石の一つをここにとどむる
 
■平岡久忠   歌碑
  観音寺市大野原町有木三部神社
   昭和五二年四月
  有盛の裔の血を引く故郷を 
                森川義信   詩碑
 観音寺市粟井町本庄森川フミ家前
昭和五七年
    勾  配
 非望のきはみ/非望のいのち/はげしく一つのものに向かって/誰がこの階段をおりていったのか/時空をこえて屹立する地平をのぞんで/そこに立てば…
■新田巣州   句碑
  観音寺市池之尻町心光院
   昭和五九年一月
山門 不老尼僧の一生 一枚の張紙に  残る
側室の子に生れ 幼い命のまぼろし 少女 尼にならないで 本尊様 古代  微笑
 
■松浦坐石   句碑
  観音寺市八幡町総持院
   昭和一四年八月
  暁や水鶏の叩く夢の底
 
■桃・家翁
  観音寺市八幡町一夜庵南
   明治二五年九月
木下闇くらきをたどる老の身は
 のりの光りぞたのみなりける
 
■市村文琳   歌碑
    観音寺市八幡町十王堂山裾
 いつまでと定めぬ仮の世なりせば
  常なき風に身はまかせけり
 
■堀野林治   歌碑
 観音寺市八幡町琴弾山頂象ケ鼻
  大正九年三月
 ひうちなだ波路の末の雲はれて
   いよの高根に雪ふれるみゆ
 
■堀野林治   歌碑
  観音寺市観音寺第一高等学校
   昭和五八年五月三〇日
ひうちなだ波路の末の雲はれて
 伊予の高根に雪ふれるみゆ
 
■石井朝太郎  歌碑
 観音寺市琴弾山天狗山頂
  昭和八年一一月
動くともみえぬ白帆の連なりて
 あさしづかなりせとのうち海
 
■入江為守   歌碑
  観音寺市室本町新田県道筋
   大正八年一月  万葉仮名
 九十九山神代ながらの閑けさを
  霞む朝日の影にこそ見れ
 
巌谷小波   句碑
 観音寺市池之尻町心光院岡田カメ  墓碑
 雲井まで届きし雁の叫びかな 
 三豊市
■石井朝太郎  歌碑
  三豊市高瀬町爺神公園
   昭和三四年
 動くとも見えぬ白帆の連なりて
  あさしづかなりせとのうち海 
 
■安藤老蕗   句碑
   三豊市高瀬町勝間小学校
    昭和一九年五月
   塀に肘話す内外や春の風
 
■浜川穂仙   句碑
 三豊市高瀬町上高瀬小野準一宅
昭和四七年
 大荒れと詠まれて里の椿かな
 
■池田蕗葉   句碑
  三豊市高瀬町上勝間本人自宅
   昭和五九年
  清貧に甘じ梅の主たり
 
■越智久恵   歌碑
  三豊市高瀬町上勝間首山観音
   昭和一九年五月
 流れゆく時をとどめて鎮まれる
  行基の作とふ御仏の面
 
■豊島蕗水・千代  句碑
  三豊市高瀬町下勝間威徳院
   昭和五五年
丸山の鐘に昏れたる遍路かな 蕗水
愚も賢も浄土はおなし盆の月 千代
 
■真鍋蕗径   句碑
 三豊市高瀬町下麻真鍋茂晴宅
昭和四八年
  桑を解く笹鳴き遠く近くあり
 
■香川一空子  句碑
 三豊市高瀬町下麻本人自宅
昭和五八年
 ふんすいのしずかに高し夕ざくら
 
■伊尹『書経』 校訓碑
 三豊市高瀬町上高瀬小学校
  不為胡成
 
■宇賀貞治郎  歌碑
 三豊市山本町大野軍人墓地
 みいくさにいのちささげし吾が戦  友の功は永遠にたたえざらめや
 
■片桐登良男  歌碑
  三豊市山本町辻本人自宅
   昭和五六年一〇月
 明日枯れる花にも水をかけやらむ
  心まほしき憂世なりせば
 
■比良河其城  句碑
   昭和四六年四月
 さぬき路となりへんろ笠古びけり
 
■近藤龍峰   句碑
  三豊市山本町神田三七七号線沿
   昭和五六年
 蜘蛛の糸雲の峰より張られあり
 
■入江為守   歌碑
  三豊市財田町鉾八幡宮
   大正六年
 たからだのやつかのたりほ
 かりつみてたみのこころも
 ゆたかなるらむ 
 
■矢野憲明   句碑
  三豊市豊中町桑山城山山頂
   昭和四六年
 秋晴れの雲の移りや九十九山
 
■真鍋綾子   歌碑
 三豊市豊中町桑山城山南端
  萩の花こぼるる土にあはあはと
   わがうつし身のかげを重ぬる
 
■吉良保子   歌碑
 三豊市豊中町桑山城山南端
  何となく人恋しくてふる里の
   山にこぼるる萩見むと来し