命旦夕に迫れば(10首)

  命旦夕に迫れば

旦夕に命迫れば人は何なすのであろうふと思う今日

いつまでも生きられるわけでないに今日自堕落に生きたる夕べ

取るに足らぬことに争う日日過ごし末期はいかに悟り開くや

取り返しつかぬ一期のその果てに辞世など詠むゆとりなからん

家族より一人の旧友来てくれれば至福と言うべし死の枕辺に

動物と生れて死ぬる定め持ち肉親侍らす人の贅沢

子孫繁栄知って長寿を全うすそれがどうしたと睥睨してみる

心中というものなきにしもあらず平成令和に情死不似合い

余命宣告される風潮現代の割り切り方を肯うや君

永遠の魂があること信じ仏者信者の祈り切なし

f:id:gashuu:20191025184215j:plain