蕪村、夏の句 (10 句選)

ほととぎす平安城を筋違(かい)に

〇 牡丹散て打かさなりぬニ三片

不二ひとつうづみのこして若葉哉

耳目肺腸ここに玉まく芭蕉

青梅に眉あつめたる美人哉

さみだれや大河を前に家ニ軒

行々てこゝに行々夏野哉

夏河を越すうれしさよ手に草履

夕立や草葉をつかむ村雀

◎ 愁ひつつ岡にのぼれば花いばら