永遠の空 瞬間の雲のため そして私の人生のため
すぐ蒸発するもの二つ 幸福と空に浮かべるひとひらの雲
慈雨もたらす雲ありてまた荒天の暗雲晴れぬ日はなし
保存すべきものひとつあり 君の胸に愛の心を象れる雲
眠らない唯一の鳥は雲にして あしたゆうべに飛びさりてゆく
太陽の光射さない雲はない溶けて散じて幸をふるまう
夕焼けの空彩るためばかりにはあらずして雲は消えゆく
天空に青雲匂い陽に映えるどこかの校歌にあるかもしれず
病室の窓に浮かんで去りてゆくそれに安らぐ人はあるはず
わたつみの豊旗雲に入日射し今宵の月夜明きらけくこそ(万葉歌)