現代版枕草子「すさまじきもの」令和版

すさまじきもの=今言う「凄まじい」ものすごいものではなく、興ざめするものの意。

※原典『枕草子』の「すさまじきもの」の章段 昼吠える犬。春の網代 。三四月の紅梅の衣 。 牛死にたる牛飼。子の亡くなりたる産屋。火おこさぬ炭櫃。博士 の打ち続けて女子産ませ たる⋯⋯...

  令和の「すさまじもの」

 令しく平和な大和を念じて「令和」と名付けたるに、新元号になったとたんに、病禍に戦禍がうち続きたるはすさまじ。何の祟りでもないはずなのに。恨みたたくなるも、その吐け場がない。

 父祖の世代の謝罪を子孫にも要求するのはすさまじ。不寛容の精神が新たなる世代の和解にプラスになるはずはない。子孫には白紙状態の新たなる前進を期待すべきである。

 子供のない人、死んだ人の前で、孫が生まれたことを嬉しそうに言うのはすさまじき限りである。もう止めてくれとも言えず、逃げも隠れもせずにいるのに。

 入試の発表合否ほど悲喜劇はない。全員入学は夢の夢か。こんなすさまじき風景はもう見たくない。

 あったはずのものがなくなっているのはすさまじ。しょぼくれていると、認知症としてかたずけられるのも不甲斐ない。不要の物とて、黙って捨てられている。

 〇〇と呼ばれるのは〇〇であるとも知らないで黙って聞き逃し、聞き捨てにするのはいとすさまじ。地方議員にぼつぼついる。国会でも敬称として使わないのがいい。偉い校長はめったにいないが、教職員は全員「~さん」と呼ぼうと言われた方が一人いた。