宗鑑作の付合・ 発句(20句)

   付  合 (77+575)又は(575+77)

1 をひつかん〃とやはしるらん 高野ひじりのあとのやりもち

2 碁ばんの上に春は来にけり 鶯の巣籠りといふつくりもの

3 高野ひじりのやどをかる声 夏の夜のやぶれかぶれや堂いでて 

4 かすみの衣すそはぬれけり 佐保姫の春たちながら尿をして

5 五条あたりにたてるあまごぜ 誰がごけのうかれぎみとはなりぬらん

6 おもしろげにも秋風ぞふく たてならべ七夕をれるあしびやうし

7 人の情はあなにあるらん おんなふみかしこ〃と書すてて

8 我よりもせいたか若衆待わびて 不動も恋にこがらかす身か

9 馬にのりたる人丸をみよ しもにたつ中間おとこひとりにて

         発  句 (575)

10  にがにがしいつまであらしふきのたう

11 いやめなる子どもうみをけ時鳥

12 猿のしり木がらししらぬもみぢかな

13 さむくとも火になあたりそ雪仏

14 陣衆みないぬの日めでたけふの春

15 春かぜに釈迦むりむりの軒ばかな

16 花みればげによいしんの浄土かな

17 ながすかとまつやさみだれ柳かげ

18 さかさまにはじく松茸のつぼみ哉

19 梅やいつたうがさ疼(ひらく)やどの春

20 だう亀の卵の中のほととぎす