付 合 (77+575)又は(575+77)
1 をひつかん〃とやはしるらん 高野ひじりのあとのやりもち
2 碁ばんの上に春は来にけり 鶯の巣籠りといふつくりもの
3 高野ひじりのやどをかる声 夏の夜のやぶれかぶれや堂いでて
4 かすみの衣すそはぬれけり 佐保姫の春たちながら尿をして
5 五条あたりにたてるあまごぜ 誰がごけのうかれぎみとはなりぬらん
6 おもしろげにも秋風ぞふく たてならべ七夕をれるあしびやうし
7 人の情はあなにあるらん おんなふみかしこ〃と書すてて
8 我よりもせいたか若衆待わびて 不動も恋にこがらかす身か
9 馬にのりたる人丸をみよ しもにたつ中間おとこひとりにて
発 句 (575)
10 にがにがしいつまであらしふきのたう
11 いやめなる子どもうみをけ時鳥
12 猿のしり木がらししらぬもみぢかな
13 さむくとも火になあたりそ雪仏
14 陣衆みないぬの日めでたけふの春
15 春かぜに釈迦むりむりの軒ばかな
16 花みればげによいしんの浄土かな
17 ながすかとまつやさみだれ柳かげ
18 さかさまにはじく松茸のつぼみ哉
19 梅やいつたうがさ疼(ひらく)やどの春
20 だう亀の卵の中のほととぎす