『芭蕉との対話』抄

 【芭蕉との対話】9句 抄出 (芭蕉発句に雅舟が脇を付けたもの)

若葉して御目の雫ぬぐはばや  芭蕉  鑑真潮風で盲目となる   雅舟

塚も動けわが泣く声は秋の風  芭蕉  連句一座に一笑居らず   雅舟

父母のしきりに恋し雉の声   芭蕉  高野はもののあはれなる春 雅舟

鷹一つ見付けてうれし伊良湖崎 芭蕉  渡りの名所飛び立つ美空  雅舟

涼しさや直に野松の枝の形   芭蕉  訪れうれし我が雪柴亭   雅舟

汐越や鶴脛ぬれて海務涼し   芭蕉  細脛出した女人の裾    雅舟

野を横に馬牽き向けよ時鳥   芭蕉  短冊求める粋な若馬子   雅舟

時鳥鳴く鳴く飛ぶぞ忙はし   芭蕉  和歌は一瞬俳諧は連鎖   雅舟

道のべの木槿は馬に食はれけり 芭蕉  馬酔木ならねば心配不要  雅舟

 

芭蕉との対話(五十音順篇)