フェイドアウトいつのまにやら音沙汰のなくなる交わりこれがいい
もうこれでおしまい来年からは賀状出さないなど言わぬがいいよ
別れるなど芸者の時に言うものよそんな台詞がふと浮かび出て
紙切を窓にはさみて帰りけり逢わずに行くはかなしと書いて
逢引など死語の代表いにしえのゆかしき詞ほとんど滅びて
節操のない男など言わぬがいいよなんでもかんでも言う女にして
気が付けばいつのまにやら切れ消えて鈍感だった自分がわるい
はっきりと言ってくれる方がいいまだ脈あると勘違いされる
永遠の別れ歌なる万葉の挽歌は相聞の歌に優れる
我が生涯「和」を念じ生き果たされずフェイドアウトという終末近し