死ぬことが青春なりし戦時中その張りつめた心を愛す
青春の夢に忠実なれといふ決まり文句を今も書きゐて
風となり君を訪はんかさてはまた矢車草のみ吹きて過ぎんか
オリーブは青き音符の実を揺らせ結ばれ難き愛の譜を練る
夢見れる隙ににげたる幸ひの今も棲めるか島のどこかに
書き続け歌ひ続けて来し島よ遂に私を背きし島よ
文学青年教師と言はれし時に会ひたかりしそんな可愛いい子らに囲まる
老春といふべき中に生きてをり文学青年の矜恃を捨てず
三倍の動詞人生送らんと心はいつも青春の中
希望ある限り青春などと書き賀状は今年で最後となるか