親鸞上人の言葉から

 

①悪性さらにやめがたし  こころは蛇蝎のごとくなり  修善も雑毒なるゆゑに  虚仮の行とぞなづけたり

②十方微塵世界の  念仏の衆生をみそなはし  摂取してすてざれば  阿弥陀と名付け奉る

③慶ばしいかな、心を弘誓の仏地に樹て、念を難思の法海に流す

無明長夜の灯炬なり 智眼くらしとかなしむな 生死大海の船筏なり 罪障おもしとなげかざる

➄煩悩にまなこさへられて  摂取の光明みざれども  大悲ものうきことなくて  つねにわが身をてらすなり
⑥煩悩を断ぜずして涅前に生れんものは後を導き、後に生れんひとは前を訪へ
⑦「凡夫」といふは、無明煩悩われらが身にみちみちて、欲もおほく、いかり、はらだち、そねみ、ねたむこころおほくひまなくして、臨終の一念にいたるまで、とどまらず、きえず、たえず
⑧面々の御はからひ詮ずるところ、愚身の信心におきてはかくのごとし。このうへは、念仏をとりて信じたてまつらんとも、またすてんとも、面々の御はからひなり。

⑨摂取の心光、つねに照護したまふ。