「待ち~」

待ち合わす「待合室」の名の掛かる所のあらば一目見に行かむ

待ち明かすその人ついに現れず茫然自失東雲の空

待ち受けるまでは許され待ち構える魂胆だけは知られたくない

待ち草臥れるでは頂けぬ待ち焦がれる乙女心を解き放つべからず

待ち遠しいその幼さに待ちに待った天が味方せよとぞ祈る

待ち望む待望久しいものは皆天与の幸ぞ感謝するのみ

待ち伏せの少女の心今あらじ待ち設けるは儚き棚ボタ

待ち侘びる心は宙に吊るされて突如あの世に連れてゆかれる

待ち針の方がなつかし縫い針のいそいそとした働き老いて

待ち人はとわに来たらず むなしくも飯食い余生を生き継ぐばかり