江戸の讃岐ガイドブック

金比羅参詣名所図会』暁 鐘成
 本書の著者暁鐘成(あかつきかねなり)は大阪難波の読本作家の代表的な人。十辺舎一九の『金毘羅道中膝栗毛』に刺激されて制作意欲が湧いたと言われる。本書は、浪花の名所図会第二作目である。
 弘化4(1847)年に刊行された「金毘羅参詣名所絵図」全六巻を影印、複製し、一冊にまとめたもの。近辺の景勝地や史蹟、土地の言い伝えなどを広く収録した江戸時代の旅行ガイド。
目次〔巻一〕虫明の迫門 長島 鼠島 牛窓の湊 名産烏賊 前島 犬島 直島‥‥     〔巻五〕安益川 鼓ヶ岡 甲智の御所之古址 宝撞庵 城山の神社 松山の館の古址‥‥
 鼓ヶ岡(つゞミがをか)安益川(あやがハ)の西向(にしむか)ふ四五丁許にあり甲智(こうち)の郷(ごう)府中村(ふちうむら)といふ。‥このようにルビが付されて読みやすい。