今日はリルケ生誕日、そして詠山さんも

    
   「心の山頂にさらされて」    ~この詩を本日誕生日の詠山さんに贈る~
                 リルケ 訳:生野幸吉

心の山頂にさらされて。見よ、あんなに小さくあそこに、

見よ、ことばの最後の村落が。そしてもっと高いあたりに、

やはりごく小さな姿で、感情の

最後の農家が見える。君に見分けがつくだろうか?

心の山頂にさらされて、手の下には

石だらけの山肌だ。ここでもまだ萌え出るものが

いくつかある。無言の崖から

ひともとの無知の草が歌いつつ延びる。

けれど知る者は? 知りそめた人間は、ああ、

そしていま、心の山頂にさらされて、沈黙する者は。

ここでもなお、あまたの守られた山のけものが

すこやかな意識をもってゆきかい、

出没し、またとどまる。そして大きな庇護された鳥は

いただきの純粋拒絶をめぐって輪をえがく。――しかし、

守るものもなく、この心の山頂にさらされて……
 
 
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             俯き加減    謙譲の美徳をもちて君生まる
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