2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

散華(十首歌)

犬死と彼の日嘆きし父の戦死七十五年夢か幻 数知れぬ大和の国の若者の死を美化されて癒さるものか 幾百の幾千万の戦死者の散華の言の葉恨めしいかな 累々と白骨死体並び居し緬甸(ビルマ)の國の白骨街道 英霊と散華の甘き言の葉に胡麻化されたる大和草民 潔…

春の女独り馳せゆく高瀬川

鴎外の『高瀬舟』にはあらねども高瀬川にはこころをとどむ 雅舟

はぐれ犬にはぐれっ子

コロナにて誰もいない公園に子犬も子供もはぐれ燕も

琴弾公園のミツバツツジを見に来てください。

春光を浴びて輝く三つ葉躑躅 今年もやっと巡り会ひたり

マツバウンラン

マツバウンラン楚々と咲く浜 両墓制の埋め墓石のちらばりてあり

死者との対話(十首歌)

生きている人は次第に真人間になりつつあると小林秀雄 人は死に初めて真人間になるという小林秀雄の論を肯う 未完成なのです生きてる人間は死んで初めて価値が定まる それならば死者との対話いたしましょう一番いいのは古典の主なり 明治期に生死の人はまず…

古墳より軍人墓地(十首歌)

権力の象徴古墳ただ文化遺産に過ぎず祈りはあらず 地位階級手柄刻める虚しさよみな平等の戦争犠牲者 前途有為の若者犠牲にせし罪は永久に許せず大和魂 下々の庶民の犠牲幾百万戦没墓碑を永久に遺さむ 軍人墓碑持ち帰るとは何事だ鎮魂魂振共に祈るに 三百万超…

散華の桜(十首歌)

車には乗らない私電動の自転車にして三豊平野快走 雲辺寺紫雲出山にも登れます風景風物歌句にしながら 野に山に墓碑があります生者より死者が優しく我も優しく 古来より野山海辺に暮らしたる墓碑が生者のごとく甦る 瀬戸内海燧灘辺のテリトリー日本の縮図三…

六千の碑との対話(十首歌)

もはや戦後ではありませね昭和のつけ令和で清算しなければならぬ 竣工碑顕彰碑など色々あり目を背けてはひたすら走る 戦没の墓碑は軍人墓地ならず一般墓地の片隅にもある 堂々と立ちはだかっている碑より貧農五男六男の小さなる墓碑よ 継子ゆえ小さな墓碑が…

戦争を知らない爺婆(十首歌)

戦争を知らない爺婆多くなるそれはめでたいことなのですか かつての日戦争を知らない子どもたちそんな歌あり今は場違い 戦争を知らない爺ちゃん婆ちゃんの令和となりぬどうしてくれる もっともっと戦争のことその名残り知って孫には平和を語れ 観念の戦後生…

蓮華畑

蓮華(レンゲ)畑の必要性がなくなった田舎の日本の風景、今日やっと巡り合うことができて よく似た外来種では満足していなかった私の心がふっきれました。

碑との対話(十首歌)

二十歳にもならず戦地で斃れたる戦士の碑草分けて訪う 令和二年戦後七十五年なり生あれば百歳の戦死者弔う 時経てば遺族などとは言う人なく見捨てられるに違いない戦死者 英霊はすでに死語なり見捨てられ草葉の蔭の軍人墓碑はも 碑の戦死者と向かう年月の重…